子供目線で考える 学童保育事情

コラム【学校教育】
保護者ママ
保護者ママ

今まで保育園に通っていたので、小学校に入学したら学童に入れる予定です。

学校の先生の立場から見た学区の学童の様子を教えてください。

そっちょくせんせい
そっちょくせんせい

子供が低学年のうちは、学童保育は必要不可欠ですね。

学童を上手く使って、お子さんの大切な放課後の時間を有効に過ごさせたいですよね。

まず学童保育には、3種類のタイプがあります。

公設公営は、従来型の児童館で預かるタイプ。先生は、公務員です。
公設民営は、小学校の空き教室などで預かるタイプ。先生は、企業に属する会社員です。

民設民営は、駅の近くなどで送迎や習い事の充実したタイプ。先生は、企業に属する会社員です。

各自治体が設置している学童(公設)は、公営・民営関係なくおやつ代などは実費でかかりますが、預かり料はかからないところも多いです。

民間企業の運営している学童は、利用した分だけサービス料がかかります。

私は、低学年担任の頃に区で設置している学童(公設)とよく連携をとっていました。

学区の学童に通わせることのメリット・デメリットについて子供の視点からお話していきたいと思います。

学区内の学童に預けるメリット

学校に近い

学校内に「放課後クラブ」「ほうかご広場」といった形で設置されている学童も増えています。

学校が終わってから、学童組の下校班になって別の場所に行くのは子どもにとって労力がかかります。

歩いているときのトラブルも起こりにくく、子どもにとって場所は近ければ近い方が助かります。

学校の友達と宿題ができる 

学童にはそれぞれルーティンやプログラムがありますが、たいてい宿題タイムが設けられています。

学童の先生は宿題の内容を把握しているわけではありませんから、友達と頭を寄せ合って楽しく和気あいあいと宿題に取り組めます。

学校の友達と遊べる

フリータイムは、学校の友達と休み時間の延長のように楽しく過ごすことができます。

子供たちが退屈しないように、大勢でできるアクティビティを職員が考えてくれていますから楽しくお迎えを待っていられます。

学校ではできないお菓子作りや、手芸なども子供にとって嬉しいアクティビティです。

忘れ物を取りに来られる

学校併設されている学童の時には、職員さんと毎日のように忘れ物を取りに来る子がいました。

担任が忘れ物に気づいて学童に届けることもあります。

忘れ物をしたことは、本来失敗してしまった負の出来事のはずですが、すぐに取りに行けるので子供にとって学校がより身近なものに感じられます。

失敗を恐れてしまいがちな子や完璧主義の子にとって、学童は良い緩和剤です。

異学年の知り合いができる

自由に遊べることで、異学年の友達ができます。

まだ低学年だからか上下関係は特になく、過ごしているのが特徴的です。

お兄さん、お姉さんから名前を覚えられていると学校で出会った時にも親切にしてもらえたり、トラブルがあったときにも変わって説明・代弁してくれたりします。

学区内の学童に預けるデメリット

宿題に集中して取り組めない

宿題を一斉にするため、自分のペースで取り組めなかったり、横から友達に話しかけられたりしてしまいます。

またスペース的に十分な広さがなく、使える机の範囲がわずかである場合もあります。

使用する机が座卓で、正しい姿勢がとれずストレスになることもあります。

なかには、学童でやった宿題に納得いかず、家に帰ってやり直すという子もいました。

習い事ができない

16時ごろの帰宅・お迎えであれば、帰宅後すぐに習い事に通うことができますが、低学年のうちは下校するだけで精一杯という様子が見られます。

既に学校で疲れ切って、学童で大はしゃぎして、この後習い事というのは身も入らないでしょう。

せめて習い事の日は学童を短めに切り上げる、土曜日の習い事にするなど子供への配慮が必要です。

学校での出来事を引きずる

学校で起きたケンカやいざこざを学童にひきずることがあります。

「学校で解決したはずなのに」「思い出したくないのに」

周りの友達が学校での出来事について職員に話したり、異学年の子に話したりして傷ついてしまうことがあります。

学童の職員になじむのが大変

学校の先生や保育園の先生と違って、学童の職員は子どものプロフェッショナルではありません。

最近は、学童が民営化されているところも増え、介護福祉が本業の会社が参入していることも珍しくありません。

子どもの声なき声をくみ取って接することができる職員はわずかです。

引っ込み思案の子は、自分の思いを伝えられず、「早く家に帰りたい」と辛い思いで過ごさねばならないこともあります。

まとめ

学童は、日中保護者が家にいない子供にとって、とても助かる温かい場所です。

ただ長くいるぶん、子供にかかるストレスも大きいのは事実です。

学校の様子だけでなく、学童の様子についても子供から話を聞き我が子が快適に過ごせているのかを常に気にかけてあげてください。

以前勤務していた学校では、学童登録率100%でした。

最近は、就業の制限なく一定の時間まで預かってくれるような形の学童も増えています。

保護者会やPTAの会議等で子供を一人で家に帰らせるわけにはいかないときもありますから、利用するかどうかは未定でも、入学前に登録は済ませておくことをおすすめします!

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