次の人事異動は、公募で選んだ区に異動したいと考えています。
住んでいるのが、世田谷区なのですが近くの区の教育環境はどうでしょうか。
せっかくステージ制ではなく、自分で異動したい区を選べるのですから、教育環境の整った区で自分の力量を発揮したいですよね。各区の独自の教育施策を把握して、自分のカラーに合った区で子供たちのために頑張りましょう!
今回は、23区の中でも西側にある9つの区(品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区、板橋区、北区)の特色ある教育に目を向けて紹介していきます。各区の教育委員会がHP上で公表している内容をもとに比較していきます。
異動希望の教員だけでなく、保護者の方も自分のすんでいる自治体やこれから住もうと思っている自治体の教育に関心を持っていただけたら嬉しいです。
所々で小学校教員目線で私のツッコミも入れていきます!
品川区
・一貫教育の推進
・義務教育9年間を通した、各教科の系統性を明確に示した、「品川区立学校教育要領」を作成。
・義務教育学校では、1年生から9年生まで同じ校舎で生活・学習。
・小学校全学年で英語科を実施し、全時間にALT(外国人英語講師)またはJTE(日本人英語専科指導員)を配置しています。
・全ての学校を品川コミュニティ・スクールに指定。
・電子黒板機能付プロジェクター、書画カメラを全普通教室に設置。
・全児童・生徒へ、1人1台端末(iPad)を導入し、校内 Wi-Fi 環境を整備。
9年間続けて通うことのできる義務教育学校は、区内に6校あり
東京都の先駆け的存在です。
英語は、専門の先生がいるので安心ですね!
品川区は独特の施策が多いので、慣れるまでは業務が少し大変そうです。
目黒区
・二期制(前後期各100日程度)
・学校完全週 5 日制
・夏季休業日の短縮(5 日間)
・40 分授業午前 5 時間制の推進(小学校)
・目黒区版 GIGAスクール構想により、自分に合った方法で学習を進めることが可能。
・最新のiPad(第8世代)を一人一台、キーボード付きのカバーやペンとともに貸与。
・通信回線はLTE回線を採用。
二期制は、秋休みがあるので平日に休暇が取れます。
土曜日の出勤がないのも、教員にとって嬉しいですね。
日々の指導にゆとりが持てます♪
その分の時数が、夏休み5日間前倒しで始まるところから確保されているので、
保護者も安心です。
大田区
・空の玄関口である羽田空港、臨海部、多摩川など、水辺や自然に恵まれている。
・高度な技術力をもった企業、にぎわいあふれる商店街、馬込文士村等の歴史と文化のまち。
・5 か年計画の「おおた教育ビジョン」を策定し、「豊かな人間性をはぐくみ、未来を創る力を育てる」をテーマとした教育施策を推進。
・電子黒板やタブレット端末を活用。
・「ものづくりのまち」としてのものづくり教育
・理科教育推進拠点校設置による理科教育の推進
・英語カフェや中学校生徒海外派遣等の体験的な英語学習
理科・社会の題材になる資源がたくさんあるのが大田区。
地域資源を活用して子供たちに授業を展開したいと考えている先生にはおすすめです。
世田谷区
・幼児・児童・生徒約49000名、教員約2600名を抱える大規模な自治体
・キャリア教育を柱として、乳幼児から大人までの成長や地域社会とのかかわりを充実・拡大した教育の推進。
・知的好奇心や気付きを大切にし、他の人と協働して、自分たちで課題等を解決しようとする「探究的な学び」の実現
世田谷区はとにかく大所帯で、一つの教育施策に向かわせるのが大変そうです。
その分、学校ごとにカラーが出せるというメリットがあります。
キャリア・未来デザイン教育を主軸に、研究を深められそうですね。
中野区
・「中野区の保幼小中連携教育」の計画に基づいて、15年間の連続的な学びへの取り組みがある。
・保幼小連携や、各中学校区における小中連携、保幼小中の学びの連続性に着目したカリキュラムの連携研究を推進。
・「中野区いじめ防止等対策推進条例」を制定し、自他の生命や人権を尊重する教育や、いじめ対策への継続的・組織的な取り組みがある。
・中野区の抱える教育課題について、区内公立幼稚園・学校を「学校教育向上事業」研究指定校に指定し、課題解決に向けた実践・研究活動を行っている。
・全教室に電子黒板を配備、一人1台端末の全児童・生徒への配布。
・ICT機器を用いた学習と従来の学習活動を組み合わせ、個別学習と対面学習を効果的に融合させたニューノーマルの学習モデルの実現。
特に珍しいところはないけれど、それが落ち着くという先生におすすめな中野区。
教育に対しては、保守的ですから、他の区を見て良さそうなら新しいことを始めようかというところがあるように思います。
中野区は南北に長く、学校自体は便利なところに合っても、学校間の行き来は少ししづらいかもしれません。
杉並区
・小中一貫教育の推進、就学前教育の充実
・教員の指導力向上のための支援
・学校ICT環境の整備・充実
・特別支援教育の充実
・教育相談体制の強化
・地域と連携・協働する学校づくりの推進(小・中学校全校がコミュニティースクール)
区内の約85%が住宅地の杉並区。
児童数も増加傾向で、少子化時代には珍しく学級数も増えています。
目新しい施策はありませんが、施設一体型小中一貫校を2校、区立の特別支援学校(知的障害)を1校設置しています。
小中一貫を謳うところはたくさんありますが、施設が一緒に立っているというのは、子どもにとって1~9年生という意識を強く持てる仕組みだと思います。
練馬区
・緑被率や農地面積が23区内で1位、自然が多い環境の街。地域との連携や学校農園等での野菜づくりを行っている。
・小中合わせて98校。
・令和2年度より本格的な ICT 教育。を開始。授業での活用、教育活動の様々な場面で効果的な活用
を行う。
23区の中では、昔からのベッドタウンの練馬区。
戸建て家庭が多く、兄弟のいる子供が多い印象です。
学校の統廃合でキラキラネームの学校も多くあります。
ICTは、始まったばかりなので異動してからいろいろと構築したい人におすすめです。
板橋区
・保幼小接続・小中一貫教育の推進。
・義務教育 9 年間を見通して「板橋の i カリキュラム」で「読み解く力」「郷土愛」の育成。
・板橋区コミュニティ・スクール(iCS)の導入。
・熟議(熟慮と議論)を重ねた「地域とともにある学校」づくり。
学校・家庭・地域が、目標・課題を共有し、一体となって子供たちを育成。
・教職員の働き方改革の推進。教職員が元気で、誇りとやりがいをもって、専門性を発揮できる環境の整備。
なんと!初めて教員の働き方改革を特色に掲げる区に出会いました。
板橋区は、研究熱心だけど、押し付けでなく、教員個人個人の裁量に任せる部分が大きいようです。
家庭としても小中一貫やコミュニティスクール化は、学校が開かれているので安心ですね。
北区
・学校ファミリー(中学校区)を基盤とした就学前教育から義務教育までの一貫教育を推進。
・令和6年4月には義務教育学校((仮称)都の北学園)が開校予定。
・令和3年9月に王子第一小学校は新校舎開設。計画的な改築事業の実施。(改築済み:小学校3
校・中学校9校、改築事業中:小学校1校)
・全小中学校に新聞を提供し、新聞を活用した授業の実践。言語活動の充実を図り、「比べて読もう新聞コンクール」を実施。
・外部指導員による放課後などの補習教室「学力フォローアップ教室」を全小学校で実施。
・「自閉症・情緒障害特別支援学級(固定)」を小学校1校、中学校1校に設置。
北区も小中一貫教育の義務教育学校が完成するようですね。
中学校区を基盤とするところは、地元愛のある子供が育ちそうです。
学校選択制の波とはまた違う良さがありますね。
まとめ
23区西部は、昔からのベッドタウンのところが多いです。地域が落ち着いていて商店街や自然を教材にすることが可能です。
23区西部は、特に目玉となるような教育を持ってない区が多くありました。
でも、校舎の建て替えを機に、小中一貫校を設置したりと少しずつ変化しているようです。
23区西部の場合、周りの様子を見てだんだんと教育改革をしていく傾向がありますから、人事異動の際には、家からの近さだけでなく各区の今後の教育計画も参考にしてみると、自分の専門と関係する事柄が見えてくると思います。
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