学校の宿題に音読が毎日出ています。毎日同じ文章を繰り返し読んでいるだけで意味があるように思えません。どんなことに有効なのでしょうか。
実は音読は、発声や姿勢を定着させるためにとても大切な宿題です。
保護者の方の中には、音読はハンコ押すだけであまり聞かないという方も多いというのが残念です。
今回は、音読を聞くときのポイントやマンネリ化しないための変わりダネ音読方法について説明します。
親子で音読の宿題をもっと好きになれるように取り組んでみてください。
音読と朗読の違い
音読の目的は、正しく、はっきりと、すらすらよむことです。
一方で、朗読は、正しく、はっきりと、すらすら読み、加えて作者の意図や場面の雰囲気、登場人物の心情や性格にも迫って読むことです。
朗読の方が、演劇的な要素が入りますから難しいです。
また、小学校の宿題の場合これから作品のことを学習する場合が多いため、作者の意図や登場人物の心情は求めていません。もちろん、学習の最後は、作品のことを深く理解できているはずですから朗読劇をさせたり、音読発表をさせたりします。
ですから、宿題の音読では保護者は多くを求めすぎず聞くポイントを絞って、毎日積み重ねていくことをおすすめします。
音読を聞くときのポイント
音読には、以下のような4つの効果が期待されます。
どのような作品でも共通するポイントですから、お子さんの音読を聞くときに気を付けてあげましょう。
同じ姿勢をキープする
音読をするときに、リビングの椅子に座って音読をしているという子がたまにいます。
音読をしている時間は、立って足は肩幅に開き、歌う時のような姿勢で行うようにしましょう。音読の5分~10分の間動かずじっとしているというのは、なかなか子どもにとって難しいことです。
学校では、正しい姿勢が身に付かないことで朝会中に、ふらふらとしてしまったり、片方に重心が乗ってしまったりする子がいます。わざわざ体幹トレーニングを行わなくても毎日の宿題の中で姿勢に気を付けてやるだけで子どもの姿勢はすぐによくなります。
腹式呼吸を意識させる
肺ではなく、おなかの中に空気を入れて発声させましょう。腹式呼吸を意識させると子どもの声が、よく通ります。
また、「。」から「。」までの一文が長い場合でも、声がぶれずに読み切ることができます。
片手をおなかに当てて、声を出すときに押しながら読みましょう。息の続くまで読み続けて、次に空気を吸う時には、自然におなかに空気が入ります。何度か繰り返すことで子どもが感覚をつかむことができます。
「おなかの底から声を出す」ことが必要な場面は、学校生活の中で多々あります。普段の呼吸とは違いますから意識して取り組むことで自分のものにできるでしょう。
口がよく動いているか
普段、慣れた友達や家族と話していると、口をしっかり動かさなくてもニュアンスで何を言っているかがわかってしまいます。そのため、口の周りの筋肉はなかなか使われません。
学校では、楽しいのに笑顔が作れなかったり、悲しいのに悲しい顔を作れなかったりする子がいます。そういったこの多くは、お話をするときにも、もごもごと話してしまいがちです。こちらも、口の周りの筋肉が未発達なのです。
音読をする時に、口をよく動かすことで、口の周りの表情筋を毎日鍛えることができます。
口周りの筋肉を意識して音読することで、子どもの日常の話し方や表情は大きく変わります。大げさなくらいに動かしていてもOKです。確認しましょう。
堂々としているか
お子さんは自信なさげに音読していませんか?単元が始まったばかりの時は仕方ありませんが、音読する教材に出てくる漢字の読みは覚えてすらすらと読めることが望ましいです。読めない漢字ということは、新出漢字ですから特に意識して家庭でも取り上げると良いでしょう。
回数を重ねるうちにすらすらと読むことができるようになるでしょう。自信をもって読めているかをチェックすることで「漢字学習」に躓いているのかな?「文字を追うこと」に躓いているのかな?と早い段階で気づくことができます。
特に低学年の場合は、一行を読み終えて次の行に行くときに、どこを読んでいたか分からなくなってしまう子が多くいます。指で追って読んだり、下敷きを持ちながら読んだりといろいろな対策ができますから、毎日の音読の時に堂々できるように確認しておきましょう。
変わりダネ音読方法
音読は、毎日の宿題ですから、親も子も飽きてきます。
飽きたからと言って、音読の宿題をテキトーに片づけてしまうことはやめましょう。変わりダネ音読方法をたまには取り入れて、親子で和気あいあいと宿題に取り組んでみましょう。
超ウィスパーボイス音読
唇だけを動かして音読をします。黙読ではなく、かすかに声を出すくらいにしましょう。口の動きで保護者に伝わるような形で読むことができれば、表情筋の良い刺激になります。
段落読み
保護者参加の音読です。「たまには、パパも読みたいな」なんて言うと、子どもはとても喜びます。
段落を学習するのは、2年生ですが、1年生でも1文字目が下がっているところがあるというのは学習しますし、お話の場面が変わることなども知りますから、段落読みが可能です。
後で紹介する間違い探し読みにもつながりますが、
役割読み
ナレーション、登場人物に分かれて音読する読み方です。保護者が参加する形です。
1回目に保護者がナレーションをした場合、2回目は子どもがナレーションをします。
子供は、授業の中で役割読みをしているでしょうからなるべく出番が少ないものを選ぶなど賢さが出てきておもしろいです。
間違い探し読み
はじめに間違う回数を親子で決めます。
子どもが音読をする中で、「今のなんか変だぞ…」と思ったところで「ストップ!」をかけます。同じ単元の文で、親も聞き飽きてきた頃にやるのがおすすめです。
まとめ
ドリルやプリントなどの宿題は、学童で済ませてしまう子も多くいます。ですが、音読は家でやらせるようにしましょう。
毎日の忙しい中でも5~10分、「お父さんお母さんが自分のことを見つめてくれている時間」は、お子さんにとってとても嬉しい時間です。音読している様子から、学習の躓きや不安行動(チック)などに気づける場合もあります。
毎日の音読の宿題が家族にとってのハッピーな時間となりますように!
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