子供がお世話になった担任の先生が異動してしまいました。
先生って、希望した学校に異動できるものなのですか?
公立の教員である以上、異動はつきものです。
以前は、異動先を選ぶことができませんでしたが今はだいぶ変わってきています。
「元担任が学校からいなくなるのが寂しい。」
「お世話になった先生に、卒業まで我が子を見届けてもらいたかった。」
と、各家庭にとって先生の異動は多かれ少なかれ影響のある出来事でしょう。
先生にとっても、異動は一大事です。
それまで築いてきたものを、次の先生へ引き継いだり…自分の身の回りの荷物をまとめたり…新しい学校でイチから覚えることや手続き等々…
今回は、東京都では小学校の教員がどのようなルールで人事異動しているのか説明していきたいと思います。
異動になる時期
同じ学校に3年以上いる教員は異動対象となります。
通常3年間は、異動の心配がなく、安心して業務に集中することができます。
稀なケースですが、校内事情で1・2年での異動もあります。
異動があまりにも早いと、前任校で何かやらかしたんじゃないかと疑われます。
また、他府県では、1校に5年以上というルールのところもあります。
希望の地域に異動できるステージ制
教員は、お気に入りの区内、市内で異動したいものです。
家から近い方が勤務しやすいですし、近隣の学校に知っている先生が多いと情報も入ってきやすく、働きやすいです。
東京都では、各区市町村が12地域に分かれ、
5校経験するまでに、3地域を経験する。3地域を経験した者は同一地域内での異動ができる。
というルールがあります。
しかし、3地域経験するには、年数が必要です。
ある程度ベテランにならないと同一地域内の異動の希望が出せません。
しかし2013年からは、東京都独自ルールのステージ制が導入されています。
東京都を大きく二つに分けていて、区部・市部の異なる二つのステージを経験することによって、家の近くの地域や思い入れのある地域を移動先に選ぶことが可能となります。
ステージ | 地域 |
Aステージ | 区立の小学校 |
Bステージ | 市立の小学校 |
Cステージ | 島の小学校 山間部の小学校 特別支援学級 特別支援学校 都立の学校 |
ねらいとしては、区部と市部、普通学級と特別支援学級の教員をシャッフルしたいというところです。
どうしても、区部の学校と、市部の学校では、教育に対する温度差があります。
市部から区部に来られた先生は、保護者のシビアな考え方に驚いたり、
区部から市部に来られた先生は、学校外のイベントの多さに驚いたり、
同じ東京都でも西と東では子供も保護者も地域性も異なります。
同様に、普通学級に特別な配慮を要する子も増えていますから、特別支援学級に異動して、経験値を上げる目的もあります。
公募推薦ルール
東京都では、各市町村が異動してくる教員を公募する制度があります。
応募するためには、校長の推薦や、「主任教諭」「主幹教諭」といった肩書も必要です。
そのうえで、書類審査や面接があります。
公募で希望の地域に異動される先生は、みなさん実績や経験のある方ばかりです。
さいごに ~異動は必要か~
先生が異動をするということは、別れでもあり出会いでもあります。
私自身も2度の異動を経験して、培ってきたものをまたゼロから築くことに疲れ果てたこともありました。
ただ異動しても仕事の内容は大きく変わらないところが、教員の異動の救われるところです。
異動前の経験は、必ず今目の前にいる子供たちに役立っています。
私にとっては、異動がないと「平和ボケ」してしまうのだろうと思います。
異動するからこそ、同世代の授業の上手い先生に出会って刺激を受けたり、行事の段取りのよさを身に付けられたりしました。
異動するということで、全体的に学校が上向きになってくれることを願ってやみません。
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